グリムス(gremz)

 ・絶滅動物

○生物の個体はそれぞれある程度の遺伝子を共有する複数個体からなる集団に属し、一つの遺伝子プールを持っている。この集団を繁殖可能集団、デーム、あるいは個体群という。生物種は個体群そのものである場合もあるし、複数の個体群で構成されている場合もある。おのおのの個体群内で生殖が行われ、次世代の個体が生み出される。したがって、ある個体が死んでもその集団は存続するが、その集団に属する全個体が死んだ場合、その集団は消滅する。その場合、近縁であっても異なった集団は別の遺伝子プールを持つ集団であるから、失われた集団と同じものを復元することができない(ただし、絶滅を回避できても個体が激減している場合はやはり以前と同じ遺伝子プールを復元することはできない)。これが絶滅である。絶滅は不可逆的な現象である。


○本当に絶滅したかどうかを確認することは難しい。ゾウガメのように、大きくてしかも動きが遅く、逃げ隠れしない上に生息範囲が狭いものは歩き回って確かめることも可能であるが、そのような生物はごく限られている(そのゾウガメですら、絶滅したとされていたセーシェルゾウガメに再発見説がある)。海水に棲息する生物は大型の魚類ですらシーラカンスのように再発見されるケースやメガマウスのように未知のものが新発見されるケースがあり、絶滅の断定は非常に困難である。